Ubuntu 23.04を23.10にアップグレードしてみた

2023年10月にUbuntuの23.10(Mantic Minotaur)がリリースされました。

うちの場合、仮想環境のUbuntu(Server)が23.04です。
ログインすると下記のようなメッセージが表示されます。

Welcome to Ubuntu 23.04 (GNU/Linux 6.2.0-36-generic x86_64)

 * Documentation:  https://help.ubuntu.com
 * Management:     https://landscape.canonical.com
 * Support:        https://ubuntu.com/advantage

  System information as of 2023年 11月  5日 日曜日 14:43:24 JST

  System load:  0.16               Processes:               118
  Usage of /:   35.1% of 58.88GB   Users logged in:         0
  Memory usage: 18%                IPv4 address for enp0s5: 192.168.1.121
  Swap usage:   0%

 * Strictly confined Kubernetes makes edge and IoT secure. Learn how MicroK8s
   just raised the bar for easy, resilient and secure K8s cluster deployment.

   https://ubuntu.com/engage/secure-kubernetes-at-the-edge

0のアップデートはすぐに適用されます。

New release '23.10' available.
Run 'do-release-upgrade' to upgrade to it.

この環境を23.10にアップグレードしてみました。

アップグレード前の環境

アップグレードする前のOS情報は下記の通りです。

$ cat /etc/os-release

PRETTY_NAME="Ubuntu 23.04"
NAME="Ubuntu"
VERSION_ID="23.04"
VERSION="23.04 (Lunar Lobster)"
VERSION_CODENAME=lunar
ID=ubuntu
ID_LIKE=debian
HOME_URL="https://www.ubuntu.com/"
SUPPORT_URL="https://help.ubuntu.com/"
BUG_REPORT_URL="https://bugs.launchpad.net/ubuntu/"
PRIVACY_POLICY_URL="https://www.ubuntu.com/legal/terms-and-policies/privacy-policy"
UBUNTU_CODENAME=lunar
LOGO=ubuntu-logo

アップグレードの手順

前述のログインメッセージにある通り、「do-release-upgrade」コマンドでデータを保持したままアップグレードすることが可能です。
ただ、事前にいくつか手順を踏んでおくことでスムーズに進められます。
以下の手順が参考になれば幸いです。

STEP

現在の環境(23.04)を最新にする

下記のコマンドを実行して現在の環境を最新の状態にします。

$ sudo apt update
$ sudo apt dist-upgrade
$ sudo apt autoremove

STEP

アップグレードを行う

下記のコマンドを実行して23.10にアップグレードします。
尚、アップグレードの前にバックアップを取得しておくことをおすすめします。

$ sudo do-release-upgrade

あとは画面の指示に従って「y」を入力していけばアップグレードは進行します。

アップグレード時の注意点

いくつか留意すべき点がありますのでご注意ください。

SSH接続した状態でのアップグレードは極力行わない

SSHで接続した状態でアップグレードを行うと途中で警告のメッセージが表示されます。

SSH経由で実行していますが、続けますか？


このセッションはSSH上で実行されているようです。アップグレードをSSH越しに行うことは推奨されません。アップグレードに失敗した時の復元が困難になるからです。

続行する場合、追加のSSHデーモンをポート '1022' で起動します。
本当に作業を進めてよろしいですか？

続行する[yN]

以前、同様のアップグレードを行った際にSSH接続のまま続行したことがあります。
その時は特に問題なくアップグレードが完了しましたが、リスクがあることは理解して進めた方がよろしいかと思います。

コンソールの文字化け

コンソールからログインしてアップグレードを行う際、言語設定によってはコンソールの文字化けが発生します。
.bashrcに設定を追記することで回避することができるようですが、うちの仮想環境の場合はそれが機能しませんでした。

文字化けしたままでも処理は進むのですが、最後の方で下記のような状態になります。

選択肢が何を意味するか分からないため、適当に進めるのも憚られます。
文字化けしている部分、日本語が表示できる状態であれば以下のように表示されています。

アップグレードを開始しますか？


2 個のインストール済みパッケージは Canonical
によってサポートされなくなりました。ただしコミュニティからのサポートは受けることができます。

1 個のパッケージが削除されます。 39 個の新規パッケージがインストールされます。 449 個のパッケージがアップグレードされます。

合計 897 M をダウンロードする必要があります。 このダウンロードは約 4 分 かかります。

アップグレードをインストールするのに数時間かかることがあります。ダウンロードが完了してしまうと、処理はキャンセルできません。

 続行する[yN]  詳細 [d]

「y」で進めて問題ないと思います。

まとめ

今回のアップグレード中、設定ファイルを置き換えるかどうかの問い合わせと思われるものが出てきましたが文字化けしていて読めませんでした。
多分「既存のファイルを保持」のようなものが選ばれているはずなのでそのまま「OK」で進めましたが問題なかったようです。

また、最後の最後でも文字化けで読めないものがありましたが、こちらは「y」を選択して進めました。

環境によってそれだとうまくいかない場合もある点、予めご了承ください。
作業は自己責任にてお願いします。

特に大きな問題もなくアップグレードできたようです。

$ cat /etc/os-release

PRETTY_NAME="Ubuntu 23.10"
NAME="Ubuntu"
VERSION_ID="23.10"
VERSION="23.10 (Mantic Minotaur)"
VERSION_CODENAME=mantic
ID=ubuntu
ID_LIKE=debian
HOME_URL="https://www.ubuntu.com/"
SUPPORT_URL="https://help.ubuntu.com/"
BUG_REPORT_URL="https://bugs.launchpad.net/ubuntu/"
PRIVACY_POLICY_URL="https://www.ubuntu.com/legal/terms-and-policies/privacy-policy"
UBUNTU_CODENAME=mantic
LOGO=ubuntu-logo

以上、参考になれば幸いです。